特別取締役による議決の定めに関する登記

取締役会の決議要件の特則として、特別取締役による議決の定めの制度が設けられています。(会社法373条)
取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く)において、取締役の人数が6人以上かつ、取締役のうち1人以上が社外取締役である場合、取締役会は、特別取締役による議決の定めを設けることができます。

特別取締役による取締役会で決議できる事項は、①重要な財産の処分及び譲受け(会社法362条4項1号)②多額の借財(会社法362条4項2号)に限定されています。この場合、あらかじめ選定した3人以上の特別取締役のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができます。(会社法373条1項)

特別取締役による決議を行う場合、特別取締役以外の取締役は、出席義務を負いません。(会社法373条2項)
また、特別取締役以外の取締役には招集通知を送る必要もありません。

監査役が2名以上いる場合、特別取締役による取締役会には、互選によって出席すべき監査役を定めることができます。(会社法383条1項ただし書)

ただし、互選により選ばれなかった監査役も取締役会に出席することはできるため、取締役会の招集通知を送る必要があります。

特別取締役による取締役会では、会社法370条に定める取締役会の決議の省略は認められていません。(会社法373条4項)
また、特別取締役の互選によって定められた者は、取締役会の決議内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければなりません。(会社法373条3項)

監査等委員会設置会社について、①取締役の過半数が社外取締役の場合、または②取締役会の決議により重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる旨の定款の定めがある場合には、特別取締役による議決の定めの制度を採用することはできません。(会社法373条1項括弧書)

特別取締役による議決の定めの設定及び特別取締役の選定は、取締役会の決議により行うことができます。(会社法373条1項)そして、当該定めを設けた場合、2週間以内に登記手続をしなければなりません。

「登記すべき事項」
・特別取締役による議決の定めを設けた旨
・特別取締役の氏名及び就任年月日 (特別取締役は社外取締役である必要はありません。)
・取締役のうち社外取締役については社外取締役である旨

「添付書類」
・取締役会議事録(商業登記法46条2項)
・特別取締役の就任承諾書(商業登記法54条1項)

「登録免許税」
・特別取締役による議決の定めがある旨の登記 3万円「登録免許税法別表第一第24号(一)ツ」

・特別取締役の就任の登記 
 申請1件につき3万円(資本金の額が1億円以下の会社の場合は、1万円)「登録免許税法別表第一第24号(一)カ」

参考書籍

「論点解説 新・会社法」 相澤哲ほか編著 株式会社商事法務
「株式会社法 第9版」 (著)江頭憲治郎 株式会社有斐閣
「商業登記ハンドブック」 (著)松井信憲 株式会社商事法務

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