特例有限会社について

2006年の会社法施行により、有限会社法は廃止され、旧有限会社法の規定による「有限会社」は、会社法上の「株式会社」として存続することになりました。会社法施行後に整備法の規定により株式会社として存続する旧有限会社を「特例有限会社」と呼びます。

会社法の施行から年数が経つにつれ、特例有限会社に関する書籍も減少しているためか、特例有限会社に特有な規律について誤解が生じている場面に出くわすことが増えています。
そこで、特例有限会社に関する特則の主要なものについてまとめてみました。

特例有限会社は、商号中に「有限会社」という文字を用いなければなりません。
また、「株式会社」という文字を用いることはできません。(整備法3条1項、3条2項)

特例有限会社の取締役・監査役の任期については会社法の規定は適用されません。
(整備法18条)
つまり、取締役・監査役の任期に制限はありません。

特例有限会社は貸借対照表の公告をする必要はありません。(整備法28条)

特例有限会社の定款には、その発行する全部の株式の内容として、次に掲げる定めがあるものとみなされます。

①株式を譲渡により取得することについて会社の承認を要する旨
②当該会社の株主が株式を譲渡により取得する場合には当該会社が承認をしたものとみなす旨

また、これと異なる内容の定めを設ける定款の変更はできません。(整備法9条)

特例有限会社の株主総会の特別決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあってはその割合以上)であって、当該株主の議決権の4分の3以上の賛成が必要です。(整備法14条3項)

特例有限会社には取締役会、会計参与、監査役会、会計監査人、監査等委員会、指名委員会等を設置することはできません。(整備法17条)
また、定款に監査役を置く旨の定めがある場合には、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定めがあるものとみなされます。(整備法24条)

・休眠会社のみなし解散の規定の適用はありません。(整備法32条)
・特別清算の規定も適用はありません。(整備法35条)
・吸収合併の存続会社、吸収分割の承継会社になることはできません。(整備法37条)
・株式交換、株式移転、株式交付の規定も適用がありません。(整備法38条) 

 特例有限会社が株式会社に移行にする場合、以下の手続きが必要になります。

(1)株主総会の特別決議により定款を変更し、商号を株式会社という文字を用いる商号に変更する(整備法45条)

(2)定款変更決議から2週間以内に以下の登記申請をする(整備法46条)
 ①特例有限会社の解散登記
 ②商号変更後の株式会社の設立登記を申請する 

特例有限会社から株式会社に移行した場合、元の特例有限会社に戻ることはできません。
特例有限会社でいることのメリットもありますので、株式会社に移行するかの判断は慎重に行って下さい。

参考書籍

(著)相澤哲 「一問一答新・会社法」  株式会社商事法務
(著)企業法務実務研究会 「株式会社の登記と実務」 株式会社民事法研究会
(著)松井信憲 「商業登記ハンドブック」 株式会社商事法務

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