医療法人の資産の総額の変更登記
医療法人は、「資産の総額」を登記しなければなりません。(組合等登記令2条2項6号)
また、登記事項に変更があった場合には変更の登記をしなければならず、変更の登記をしなければ、変更事項を第三者に対抗することはできません。(医療法43条1項及び2項)
登記申請義務
登記事項に変更があった場合、2週間以内にその主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければなりません。(組合等登記令3条1項)
ただし、資産の総額の変更の登記は、毎事業年度末日から3ヶ月以内に登記すればよいことになっています。(組合等登記令3条3項)
この期間内に変更登記をしなかった場合、20万円以下の過料に処せられます。(医療法93条1号)
毎年、資産総額の変更登記はしなければならない
登記しなければならない資産の総額は、「資産の部の合計金額」から「負債の部の合計金額」を引いた純資産額になります。(昭和39.8.15民事甲第2860号民事局長回答) 「資産の総額(純資産額)」は毎年変わると思われますので、変更登記は毎年行う必要があるはずです。
また、純資産額がマイナスになる場合(債務超過の場合)でも登記申請をする必要はあります。この場合、資産の総額は0円と記載し、債務超過額を括弧()書きしていきます。
記載例 資産の総額 金0円(債務超過額 金○○万○○円)
2年に一度は理事長の変更登記もあわせて行う必要がある
医療法人の役員の任期は2年を超えることはできないとされています。(医療法46条の5第9項)そのため、最低でも2年に一度は、「資産の総額の変更登記」と「理事長の変更登記」をあわせて行う必要があります。
資産の総額の変更登記を行う場合は、役員の任期が切れていないか同時に確認しておくとよいでしょう。
資産総額の変更登記の添付書類
資産総額を証する書面として、「財産目録」または「貸借対照表」を登記申請時に添付していきます。
代理人によって登記申請する場合は「委任状」も必要になります。
なお、登記申請時に納付する登録免許税は非課税となっています。
参考書籍
「第2版 Q&A 法人登記の実務 医療法人」 山中正登/著 日本加除出版
「法人登記の手続」 日本法令法人登記研究会編 日本法令